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Event report / 第7回 本会

経営者・幹部・現場の役割から考えるAIの社内定着

第7回 名古屋AI経営サミット 開催報告

2025年9月5日、第7回「名古屋AI経営サミット」を開催しました。株式会社はちえん。代表取締役の坂田誠氏が、AIを一部の人だけの道具にとどめず、会社全体の仕事へ広げていくための役割分担と進め方を解説しました。

講演の軸は、経営者、幹部、現場ではAIを使う目的が異なるという点です。経営者は事業の方向を考え、幹部はその方向を手順や指標へ落とし込み、現場は日々の負担を減らす。三者の仕事をつなげることで、AI導入を業務の改善へ近づける考え方が示されました。

開催概要

項目内容
開催回第7回 名古屋AI経営サミット
開催日2025年9月5日(金)
講師坂田誠氏/株式会社はちえん。代表取締役
主なテーマAIの全社活用、役割分担、業務手順、効果の確認
開催地名古屋市

日程・会場・講師は主催者による当時の開催報告で照合しています。

今回の重要ポイント

  • AIを導入する目的を、売上、利益、作業負担などの具体的な課題と結びつける。
  • 経営者の構想を、幹部が手順・担当・指標へ変えて現場へ渡す。
  • 現場では身近な仕事から使い、便利さを実感できる経験を積む。

講演で扱った内容

1.「導入した後に使われない」理由を整理する

講演では、目的がはっきりしないまま導入する、現場が仕事の増加と受け取る、経営側と現場の間をつなぐ人がいない、効果を確かめていないといった課題を取り上げました。

全員に同じ操作を覚えてもらうだけでは、それぞれの仕事に必要な使い方へ結びつかない場合があります。どの業務をどう変えたいのかを明らかにし、立場に応じて取り組みを考えることが、講演の出発点でした。[1]

2.経営者は、顧客と事業の可能性を考える

経営者向けの使い方としては、競合や周辺業界を調べ、自社が提供できる価値を考え直す方法が紹介されました。Deep Researchなどを使って材料を集め、新しい事業や関連サービスを検討する流れです。

その際に問われたのは、作りたい商品だけを見るのではなく、顧客が得たい結果を考えることでした。別の業界の事例も手がかりにしながら、自社の資源で何ができるかを検討します。いきなり大きく投資する前に、小さく試して反応を見るMVPの考え方にも触れました。[2]

3.幹部は、構想を実行できる手順にする

幹部の役割は、経営者と現場の間をつなぐこととして説明されました。新しい取り組みの方針が決まったら、予算、スケジュール、担当、作業手順を具体化し、現場が動ける状態にします。

AIの用途としては、目標達成の進み具合を測るKPI、手順書、チェックリスト、採用計画、価格改定の説明などが挙げられました。資料を作成するだけでなく、実際に進んでいるかを確認し、改善するところまでが幹部の役割として示されています。[3]

4.現場は、身近な負担を減らすところから始める

現場の使い方では、返信に悩むメール、説明が必要な文書、会議の記録、定型的な集計などが取り上げられました。日々発生する作業でAIを試し、助かったと感じられる経験をつくるという進め方です。

例えば、伝える内容は決まっていても、相手に配慮した言い回しに時間がかかることがあります。そうした場面で下書きを作り、人が内容を確認して仕上げる方法が紹介されました。現場の人にとって何が負担なのかを把握することが、用途を選ぶ前提になります。[4]

実演・事例から見えたこと

当日の説明を、役割ごとの問いとして整理すると次のようになります。

立場主に考えること講演で挙がったAIの用途
経営者どの顧客へ、どの価値を届けるか業界調査、新規・関連事業の検討、小さな検証
幹部誰が、いつ、どの手順で実行するかKPI、手順書、チェックリスト、実施計画
現場日々のどの負担を減らせるかメール下書き、議事録、報告、集計

この整理は、会社の規模によって必ず三つの役職を置くという意味ではありません。講演でも、小さな会社では複数の役割を兼ねることに触れています。一人で担当する場合でも、事業を考える時間と、作業の手順を決める時間を区別すると、次に進める内容を整理しやすくなります。

各役割で得られた使い方を共有し、結果を確認することにも言及しました。講演で示された施策は社内導入の方法であり、参加企業すべてで業績改善が実証されたという報告ではありません。[5]

自社で検討したいこと

今回の内容から、自社で最初に取り組む一つの業務を選び、目的、担当、手順、確認する結果を書き出す方法が考えられます。現場が困っている作業と、経営側が改善したい課題の接点を探す進め方です。

試した後は、どこが役立ち、どこに修正が必要だったかを共有します。うまくいった依頼や確認方法を残せば、次の担当者も試しやすくなります。これは講演から整理した実践の視点です。利用者を増やすことに加えて、仕事の流れの中で使い続けられる形を考えることが、今回のテーマでした。

内容を理解するためのQ&A

以下は講演内容をもとに編集したQ&Aです。当日の質疑応答の逐語記録ではありません。

社員全員に同じAIの使い方を教えるべきですか?

講演では、立場によって目的が違うと説明されました。共通の方針を持ちつつ、経営判断、実施計画、日常業務など、それぞれの仕事に合う使い方を考えます。

幹部は、AI導入で何を担当しますか?

経営者の方針を、現場が実行できる手順や数字へ具体化する役割が示されました。実行状況を確認し、改善を回すことも含まれます。

小さな会社でも、この役割分担は使えますか?

複数の役割を一人で担う場合にも応用できる考え方です。誰が担うかに加えて、事業の方向、実施の段取り、日々の作業をそれぞれ検討します。

記録と出典

本稿は主催者提供の第7回文字起こしを中心に再構成した開催報告です。製品機能や社内導入の説明は開催当時の内容として記載しています。

  1. 第7回文字起こし、14:30〜21:00付近。導入が進まない要因と役割の違い。
  2. 同、21:00〜35:50付近。経営者の調査・事業検討・MVP。
  3. 同、35:40〜43:00付近。幹部の役割、KPI、手順、チェックリスト。
  4. 同、43:00〜53:00付近。現場の負担と日常業務への活用。
  5. 同、35:40〜38:10付近の兼務に関する説明、53:00〜58:00付近の整理。