開催概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催回 | 第6回 名古屋AI経営サミット |
| 開催日 | 2025年8月9日(土) |
| 講師 | 坂田誠氏/株式会社はちえん。代表取締役 |
| 主なテーマ | AIを使ったデータ分析、経営判断、情報収集の仕組み |
| 開催場所 | 名古屋市・リンクス名駅12階 |
日程・所在地は当時の開催案内で照合しています。
今回の重要ポイント
- 経営上の問いを決め、複数のデータを組み合わせて状況を調べる。
- 分析の前段階として、必要な情報を継続して集められる業務を設計する。
- AIの出力を、現場を知る人が読み解き、次に確かめることへつなげる。
講演で扱った内容
1.売上の数字に、周辺の情報を組み合わせる
飲食店を題材にした実演では、販売記録、会員、メニュー、販促、天候、イベントなどの資料をAIへ渡しました。そのうえで、過去一年の売上と需要を分析し、次の年の見通しや改善案をまとめるよう依頼しました。
この例で扱った店舗とデータは説明用の架空設定です。実在する店の売上改善を実証したものではありません。一方で、売上の増減を考えるときに、商品や曜日、外部環境などの条件も一緒に見るという、分析の組み立て方が具体的に示されていました。[1]
2.分析を、話し合える資料に整える
ChatGPTの分析結果を、Gensparkを使って説明用のスライドにする例も紹介されました。数字が多いレポートをそのまま渡すだけでは、内容を十分に把握しづらい人もいます。傾向や論点を見やすく整理し、経営について話し合える形へ変える工程です。
実演では、データの読み取りから改善提案へ進み、売上目標をどの要素に分けて考えるかにも触れました。ここでの提案や予測は、入力した設定に基づく検討材料です。分かりやすい資料にまとまったことと、その見通しが実際に実現することは区別して読む必要があります。[2]
3.必要なデータを、日常業務の中で集める
講演は、手元に分析用データがそろっている場面だけで終わりませんでした。自社で何を知りたいのかをAIへ伝え、必要な情報や記録の項目を検討することも扱いました。
売上を分析したい場合でも、どの商品を、いつ、どのような条件で販売したかが分からなければ、検討できる内容は限られます。同時に、情報を集める作業が現場の大きな負担になると、記録を続けることが難しくなります。必要な情報と集め方を、実際の仕事の流れに合わせて考える視点が示されました。[3]
4.アンケートから、顧客を知る材料を得る
当日はアンケートづくりと、その回答を分析する流れも紹介しました。フォームや表に情報を集め、回答の傾向から相手の関心や求めていることを考える題材です。
作成の過程では、AIが生成したコードを使う場面や、うまく動かない箇所を調整する場面もありました。完成した結果だけでなく、試しながら修正する過程が見える実演でした。道具の操作と同時に、何を尋ねれば判断に必要な情報が集まるのかが問われます。[4]
実演・事例から見えたこと
後半には、会員のM氏が、日々の対話を伴う仕事でAIを活用する工夫を紹介しました。記事では個人や相談相手の特定を避けるため、業種、具体的な案件、固有のサービス名を省略しています。
報告の中で参考になったのは、AIの回答をそのまま使わず、自分が大切にする対応の仕方を伝え、表現や進め方を調整していた点です。情報を整理する作業にAIを使う一方で、相手の事情を理解し、どう関わるかは人が考える。その役割分担を試している事例として共有されました。
講演のデータ分析と会員事例に共通するのは、入力する情報と、それを読む人の理解が重要だという点です。整った出力を受け取るだけでなく、現場の事情を踏まえて使うことが、当日の内容を実務へつなぐ視点になります。[5]
自社で検討したいこと
今回の内容をもとにすると、最初に「どの判断を改善したいか」を一つ決め、既にある記録と足りない情報を確認する方法が考えられます。いきなり大量のデータを集めるより、判断に必要な項目を定め、無理なく記録できるかを考える進め方です。
分析結果を読んだ後は、事実として確認できた傾向、AIが出した仮説、現場で試す施策を分けて整理します。これは講演から導いた実践の視点です。提案の分かりやすさに加え、どのデータに基づくのかを確認することで、次の検討につなげられます。
内容を理解するためのQ&A
以下は講演内容をもとに編集したQ&Aです。当日の質疑応答の逐語記録ではありません。
飲食店の実演は、実際の成功事例ですか?
分析方法を説明するために用意された架空の店舗・データです。予測や提案は実演の出力であり、実店舗で達成した成果ではありません。
自社に分析用のデータがそろっていない場合はどうしますか?
講演では、知りたいことに合わせて必要な情報や記録項目を考え、業務の中で集める仕組みを検討する方法を紹介しました。
AIが作った分析レポートは、どう使えばよいのでしょうか?
経営判断や現場での検討の材料として使います。元の情報と照らし、現場の事情を補いながら、次に確認・実行する内容を考えることが大切です。
記録と出典
本稿は主催者提供の第6回文字起こしを中心に再構成した開催報告です。会員事例は掲載方針に従い、イニシャル表記とし、個別事情を一般化しています。製品機能の説明は開催当時の内容です。