開催概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催回 | 第5回 名古屋AI経営サミット |
| 開催日 | 2025年7月4日(金) |
| 講師 | 坂田誠氏/株式会社はちえん。代表取締役 |
| 主なテーマ | ChatGPTとの音声対話、経営課題の整理、目標づくり |
| 当日の題材 | SWOT分析、なぜなぜ分析、OKR、複数の将来シナリオ |
開催日は主催者の当時のイベント予定、実施と主題は第5回開催報告で照合しています。
今回の重要ポイント
- 考えがまとまりきっていなくても、背景や悩みを話して対話を始める。
- AIの提案に違和感があれば、事情を補い、自社に合う内容へ修正する。
- 課題の整理から原因の検討、測定できる目標へと段階的に進める。
講演で扱った内容
1.話しながら、問いそのものを具体化する
音声対話の紹介では、会社の状況や経営者の悩みを話し、返ってきた答えをもとに会話を続ける使い方が示されました。文章を整えるために相談を先延ばしにせず、まず事情を伝えてみるという入口です。
対話の途中では、分かりにくい言葉を言い換えてもらったり、提案が実情に合わない理由を説明したりできます。伝え忘れていた制約や、自分では当然と思っていた条件が会話の中で表面化する点が、経営の壁打ちにつながります。[1]
2.SWOT分析で、自社の状況を整理する
SWOT分析は、強み・弱み・機会・脅威の四つの観点から状況を整理する枠組みです。実演では、自社の事業や人材に関する情報を伝え、AIと対話しながら、それぞれの要素や組み合わせを検討しました。
AIが出した項目に対し、経営者が補足や訂正を加えることも扱われました。自社が本当に提供できること、今は難しいこと、現場で起きていることを伝え直し、一般論から自社の検討へ近づけていきます。分析の表を埋めるだけでなく、前提を問い直す過程として紹介されました。[2]
3.なぜなぜ分析で、課題の見方を広げる
原因を掘り下げる実演では、採用に関する悩みを題材に、応募が集まらない理由を対話で検討しました。条件や働き方、仕事の魅力、募集の伝え方など、複数の可能性を見ていく内容です。
最初の回答だけでは、現場で既に試したことや、会社固有の事情が反映されていない場合があります。そこで「その点は実施している」「この条件は変えられない」などの情報を返すことで、問いが深まります。ここで得られるのは、原因を確定した診断ではなく、実際に確かめる候補を増やすための仮説です。[3]
4.OKRで、目標を測れる形にする
OKRは、目指す目標であるObjectiveと、達成状況を確認するKey Resultsを組み合わせる考え方です。当日は飲食店を題材に、売上を伸ばしたいという希望から、具体的に何を変えるのかを考える例が示されました。
売上という大きな結果を、客数、客単価、来店頻度などの要素に分けて考えると、検討する施策や確認する数字が見えてきます。AIとの会話を、抽象的な希望で終わらせず、行動を考えるところまで進める実演でした。なお、これは目標設定の説明用の例であり、実店舗の達成結果を報告したものではありません。[4]
実演・事例から見えたこと
講演では、話した内容から文章を整える例も紹介されました。考えを音声で伝え、発信用の文章へまとめてもらう使い方です。経営者本人が持つ経験や意見を材料にしながら、文章にする負担を下げる場面として位置づけられます。
終盤には、将来を一つの見通しだけで考えず、楽観的な場合、標準的な場合、悲観的な場合を比較する話題も扱いました。望ましい展開だけを前提にしていないか、状況が変わったときに何が課題になるかを、別の角度から問い直す使い方です。
全体に共通していたのは、AIに話したら判断まで終わるという進め方ではありません。返ってきた説明を経営者が吟味し、条件を補い、次の質問をする。その往復が、音声対話を実務に使う中心として示されました。[5]
自社で検討したいこと
今回の内容から整理すると、まずは最近繰り返し考えている課題を一つ選び、現状、望む状態、制約を話してみる方法があります。返答の中で事実と違う箇所や分からない言葉を直し、最後に確認すべきことと次の行動をまとめます。
対話で出てきた案は、自社で確かめて選ぶ候補です。経営者が持つ現場の情報を加えるほど、問いも具体的になります。音声で相談する手軽さを、考えを深める継続的な習慣へつなげることが、今回の学びでした。
内容を理解するためのQ&A
以下は講演内容をもとに編集したQ&Aです。当日の質疑応答の逐語記録ではありません。
話す内容が整理できていなくても使えますか?
当日は、背景や悩みを話しながら整理する使い方が紹介されました。途中で条件を追加したり、説明を言い換えてもらったりして対話を続けます。
AIから現実的ではない案が出たら、どうしますか?
自社で実施できない理由や、まだ伝えていなかった条件を補足します。講演では、そのやり取りを通じて分析や提案を自社の状況へ近づけていました。
SWOT分析となぜなぜ分析、OKRはどう使い分けますか?
この回では、状況の整理、課題の原因候補の掘り下げ、目標の具体化という異なる用途で紹介されました。いずれも対話を進めるための枠組みです。
記録と出典
本稿は主催者提供の第5回文字起こしを中心に再構成した開催報告です。音声機能の説明は開催当時の内容として記載しています。